構想のご案内

「人が自然と持続的にしあわせに暮らしていける場所にするために」

富山県の南西部にある南砺市利賀村
標高1,000メートル以上の山々に囲まれた利賀村は、その面積の約97%が森林です。
現在、約600人の人々が暮らすこの村は、世界遺産で知られる五箇山の一部。
人が自然とともに生きるための暮らしの知恵、そして豊かな伝統文化がいまも息づいています。
しかし、急速な過疎化がすすむなか、あらためてこの地域にあった森の資源の育成や活用方法を構築すること。そして、人が自然と持続的にしあわせに暮らしていける場所にするために、新たな取り組みが必要とされています。
そこで、民間と行政などが幅広く連携し、新たな教育・研修期間「利賀 森の大学校(仮称)」の設置を目指しています。

「利賀 森の大学校」は、山村を人が自然と持続的にしあわせに暮らしていける場所にするために、「環境林業」とこれを担う人材育成を提案します。

「環境林業」とは?
森に寄り添って、持続的にしあわせに暮らし続けるために、多様な森林資源を守りながら、多面的に利用する知恵と技術です。「環境林業」は、地域の森林利用の”最適化”を目指します!

 

「環境林業」のメリットは?

1. 生態系を守りながら利用する(森林資源の持続的な利用)
森林資源は自然資源。どんなに有効で収益性の高い資源も、使い過ぎれば枯渇します。
「環境林業」では、資源の特性や生態系の中での関係性に注目し、持続的な利用に努めます。
2.コストを抑える
自然植生や地形、空間など、地域の森林に備わっている本来のチカラを利用することで、経費や環境への負荷を最小限に抑えます。
3.リスクに強い
「環境林業」は、多様な資源の様々な活用事業によって複合的に構成されていて、台風などの気象リスクや、価格低下などの社会的リスクにも強い林業です。これは、山村の暮らしを持続的に支えるうえでも重要な要素となります。

 

私たちが生きていくために必要な水や空気、食べ物や薬、木材や繊維、色と香り、そして暮らしの空間など、さまざまな恩恵を与えてくれる森林。この森林を暮らしの中でもっと活かし切ることができたら?山村の暮らしを、もっと楽しく、もっと豊かにできるはず。そして、森林率97%、標高差500m、多雪によって保たれる豊富な水が育んだ、多様な森林生態系を有する利賀村だからこそ・・・。
そう考えて私たちは、多様な森林資源を保全しながら、多面的に活用する「環境林業」にたどり着きました。
「環境林業」による持続可能な山村地域づくりを発信するために、「利賀 森の大学校」が目指す2つのステップ

ステップ1(基礎課程修了時)
「森をみる」「森をつかう」「森に暮らす」3つのチカラを習得して、「環境林業」を実践し、山村で暮らすことのできる人材、「環境林業士」を育成します。
修了生は、各々のフィールドで数年間、実務経験を積み、十分な知識と経験を習得後に「南砺型フォレスター」を目指します。
ステップ2(実務経験を経て)
地域の森林に精通し、生物多様性や水土の保全など公益性を保全しつつ、多様な森林資源の多面的な活用により、持続的な収益性を可能とする森林を、*バックキャストの手法でプロデュースできる「南砺型フォレスター」を育成します。
*バックキャストとは…未来の目標を設定してから、いまやるべきことを考えるやり方。

 

「南砺型フォレスター」のモデルはスイスの「グリーン・フォレスター」。

スイスのフォレスターは、収益性や公益性の両立を目指す総合的森林管理のコーディネーターです。その仕事と責任は多岐にわたり、たとえ森林の所有者当人であってもフォレスターの許可なしに樹木を伐採することは違法行為となります。平成28年、利賀村に招聘したロルフ・シュトリッカー氏はスイスのフォレスターの1人。彼は、エコロジーの思想をいち早く林業に持ち込み、林業経営と環境への貢献の両立に20年以上の長きにわたり取り組み続け、木材価格 が低迷を続ける現在にあっても彼の担当する森林は黒字経営を続けており、地域住民の信頼もとても厚い。同業者たちは敬意を込めて彼を「グリーン・フォレスター」と呼びます。