Sep 12, 2017

[9月17,18日]TOGA森の暮らし塾 夏の暮らし編 開催しました

大型台風18号が、日本列島をまさに縦断し始めたこの2日間、利賀村は大きな影響もなく、内容の濃い2日間を終えました。

集合は朝9時。参加者が続々と利賀国際キャンプ場へ集まりました。今年1月の大規模な地滑り災害発生以降、久しぶりの大賑わい。バーベキューサイトのステージで、奥先生の「二次林」についての講義が始まりました。
参加者の多くが、平素から森林に関わる人が多いのですが、森林の種類、遷移や階層構造、そして人々の暮らしとともにあった薪炭林から現在の二次林に、実際に入ってみました。

ミズナラを中心とした上百瀬の二次林は、道路からすぐの比較的緩斜面にありながら、大きな木が多く残っています。地域との関わりの歴史を学びたくなりました。イタヤカエデ、ホオノキ、トチノキ、コハウチワカエデ、ヤマモミジ、ウリハダカエデにセンノキの稚樹も。とても多様な森です。やはりこの林分での育成木(今後中心的に育てたい樹木)はミズナラ。そのミズナラに寄りかかっていたり、根ぞって形質の悪い木など、2種3本を伐倒し、使える大きさに玉伐って運びました。

50年後にミズナラの大径木を、その間にちょこちょこと手入れしながら伐ってきた小径木の活用方法の一つとして、今回は岐阜県美濃市から「NPO法人グリーンウッドワーク協会」の講師をお招きしました。「グリーンウッドワーク」とは、伐り出してすぐの生木を繊維方向に割り、削ったり彫ったりして成型、家具や小物を作る技法です。電動工具を使わず、樹木自体の繊維を活かして作成、乾燥していくときに出てくるねじれや縮みまでの利用して軽量で強度のある品に仕上げるのが目標です。今回は基礎編のスプーン作り。
①森から小径木を伐り出す。
②マンリキを使って作品に必要な大きさを含む直方体に割っていく
③「銑(せん)」という道具を使い、足で踏み込むと材を固定できる特製の台に座って削り出す
④彫刻刀の丸刃を用いてスプーン面を掘り出す
⑤手刀でかたちを整える

φ10㎝、長さ30cmほどの丸太から、スプーンへ。うまくできるのかな、と心配していましたが、グリーンウッドワーク協会の小野理事長さんの手ほどきのもと、順番にすすめていくと、参加者それぞれ、味のある木目に歓声をあげながら、次第に無口に。2日目は集中してスプーンへと成型。会の終盤で、上百瀬にある五箇山豆腐屋の春田さんからいただいてきた寄席豆腐を、自分で作ったスプーンで食べて、口触りを確認!スプーンにこんなに愛着を持って物を口に運ぶのは初めてです。
今回は、ミズメ、ホオノキ、ウダイカンバ、ウワミズザクラ、ナツツバキの5種から選んでもらって作成しました。どの木も特徴がそれぞれあり、芯材と辺材の色の違いや木目の違い、繊維の形状の違いなど、木肌の比較も楽しめました。

メインのスプーンづくりもさることながら、17日夜の「夜の語り部」では、南砺市商工会利賀村事務所長の齋藤嘉久氏に「報恩講」の講話をいただき、「日本のおかあさん100選」のおひとりでもある民宿いなくぼの米倉みつ子さんに報恩講料理とタナモトのお話を伺いました。斎藤氏は豆谷地区の住職でもあり、パワーポイントでの報恩講の概要について森林資源の利用を交えてお話してくださった最後に、お念仏の一節もいただきました。米倉氏は報恩講料理の見本を作ってくださるために、数日前から山菜乾物を戻し、1種類ずつを煮しめたり料理にしたりして準備してくださいました。報恩講の、祖先からつながる命と万物への感謝の心、地域での位置づけなど、学ぶところの多い充実した時間でした。大変お忙しいお二人に心から感謝です。

以上、森林の評価、目標林形に向けた整備、小径木の活用、そして森林の階層構造の活用の一つである、山菜や林産物を地域の恵みとして活用してきた報恩講と、内容の濃い2日間でした。

高校生から、森のボランティア整備に勤しむ大先輩まで、参加者8名とスタッフ、講師、地域の方が集い、今回のTOGA森の大学校(仮称)森の暮らし塾 夏の暮らし編は幕を閉じました。

 

■開催概要■
日 時 平成29年9月17日(日)~18日(祝)
主 催 利賀地域ふるさと推進協議会「TOGA森の大学校」設立準備会
場 所 利賀国際キャンプ場、利賀地域内共有林ほか
■■17日(日)■■
9時00分 開会、オリエンテーション
9時15分 講話「利賀の二次林活用について」富山大学 奥 准教授

コンセプト
人工林の不敵地では、自生している樹種を見極め、自然の力に寄り添い ながら、有用な二次林へと誘導して いく作業が求められます。この山は、 どんな植生の山なのか。どんなデザイ ンをしていくのが最も手をかけず、か つ、有効利用も望めるか。森林生態 系を保全しながら、活用も考える。ど の木を育て、どの木を伐って活用しま しょうか。

 

10時00分 移動・体験開始(広葉樹林へ移動、選木予定木から木を選び、伐採)

グリーンウッドワーク
木材の利用で課題となるのが「乾燥」。伐ってから加工までに時間が必要なのも課題です。 今回は、乾いていく過程も工程に入れてしま う、生木を使った木工、グリーンウッドワークを 学びます。岐阜から講師を招き、二次林への誘 導で間伐する木を選木する際、活用も視野に 入れて、行います。手鋸で伐った木を割り、翌 日スプーンへと加工します。自分で伐り、作ったスプーン、素敵ですね。利賀の広葉樹の木目、 木肌も楽しんでください!

昼食・お弁当
16時30分 終了・移動
17時00分 バーベキュー準備、夕食
18時00分 夜の語り部 斎藤嘉久氏・米倉みつ子氏「報恩講と報恩講料理」

報恩講
地域に引き継がれる仏事です。地元山 菜をふんだんに使った報恩講料理の 一部を習います。

19時00分 天竺温泉入浴(希望者のみ)
21時00分 コテージ(大部屋)にて懇親会

利賀国際キャンプ場・コテージ
今年の1月、大規模な地滑り災害が目 の 前 で 起 こ り 、キ ャ ン プ 場 の 真 ん 中 に 迂回路が通り、運営不可能なキャンプ 場のコテージを貸し切りで行います。災 害の恐ろしい爪痕を見ながら、山の管 理、整備の重要性を考えたいと思いま す。

■■18日(祝)■■
5時00分 オプショナルツアー 五箇山豆腐製作見学
7時30分 森の朝食
9時00分 体験開始
(昼食 ジビエカレー)
14時15分 体験終了、講評、修了式
15時00分 解散

◆講師陣◆
米倉みつ子 日本のお母さん100選
奥敬一 富山大学 大学院 准教授
斎藤嘉久 南砺市商工会 利賀事務所長・僧侶
江尻裕 木こり
江尻美佐子 一般社団法人 moribio森の暮らし研究所 代表理事

定 員 8名(先着順)
参加費 12,000円(保険、体験料、材料費、宿泊、食事4回含む。)
問合せ・申込 山崎 mail: tsunagunanto@gmail.com
Fax 076-433-7350 Tel 090-7084-5359

 

Posted in トピックスComments Closed 

関連記事